2020年11月30日

「大阪の再生・成長に向けた新戦略」(案)に対するパブコメを出しましょう!

どないする大阪の未来ネットからのお知らせです。

「パブコメ」への発信をご検討ください!

連日ご苦労様です。
「都構想」を否決にできたことを本当に喜びたいと思います。

しかし、市長・知事は引き続き平然として居座り、府・市政を牛耳っています。彼らの「市民不在の政策」でどんどん大切な税金が使われていきます。
カジノに反対する9団体は、府・市の来年度予算編成に対し、カジノ関係予算の削除、コロナ対策充実の要求書の提出と交渉を計画しています。

「広域行政一元化条例」反対への運動と並行して、無謀な大型投資への追求を大衆的に繰り広げる必要を感じます。

今のままで進むと、万博に向けて「地下鉄延伸」に540億円、夢洲島内のインフラ整備に500億円が投入されます。会場建設費が1600億円以上、・・・わずか半年の「万博」に運営費を含めたら3000億円以上の投入です。うち府・市の負担は1000億前後になります。

2025年10月に「万博」が終わったら、地下鉄は「休業」?。 跡地利用も定かでない(100歩譲ってカジノが来たとしても2028年以降)、 こんな無茶な投資を許して良いのか。皆さん、声を出しましょう。 一人一人ができること、まずは「パブコメ」を出しましよう。 

大阪府・市が「大阪の再生・成長に向けた新戦略」(案)を出しました。同時にこの案に対する「パブコメ」を募集しています。
(11月20日~12月19日まで)(大阪府HPより検索)

大阪府政策企画室の担当ですが、都構想否決以降、「副首都推進局」も残そうとしているし、「IR推進局」も申請が遠ざかっているのに、何の仕事をしているのか存在している。
観光局は溝端氏が居座っている。今後、どこが主力になるのか・・・・、新戦略(案)を読みましたが、要点は次のようです。

*戦略の目標
2022年以降、府内総生産(実質)年2%以上の確保
内外からの誘客 「大阪都市魅力創造戦略2025」の策定   
スタートアップ創出数 300社創出(内 大学100社)
雇用創出 年平均 2万人
府内への転入超過数 年1万人以上

*取組方向の概要
ウイズコロナへの緊急対策   
ポストコロナ 
IR誘致による国際戦略拠点の形成
うめきた2期 スーパーシティの区域指定
未来社会の実験場となる「万博」

*各柱建ての取り組みの方向性
大阪関西万博  
輸送力増強  追加埋立  スマートシティ・都市インフラ整備
国内外の観光需要の取り組み強化
IRの推進  大阪IR基本構想を踏まえて進める
夢洲での「万博」の成功
バーチャル大阪館の開設(万博前)

<読んで感じたこと>
基本的にコロナ以前の構想を基本としている。
2022年には、コロナは収束と見込み、以降は全て元に戻ることを基本としている。
付属的に災害対応力を上げているが、「予知」・「避難」の対応だけで、津波・高潮等を防ぐ「ハード」対策がない。  
などを感じました。

60頁中、「カジノ」の一言も出てこない・・IRを言いつつ「カジノ」隠し。

以上、みなさん 大阪府HPより検索いただき、意見を出しましょう。

【締 切】令和2年12月19日(土曜日) (※郵送の場合は消印有効)
【送付先】大阪府 政策企画部 企画室 計画課 計画グループ あて
○郵送の場合   〒540-8570 大阪府大阪市中央区大手前2丁目
○FAXの場合  FAX番号 06-6944-6497

新戦略案に対するどないネットからのパブコメ案を添付します。
大阪経済戦略パブコメ原稿doc.pdf
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2018年11月10日

巨大災害に備える自治体の課題〜11.8市民集会での塩崎賢明さん講演要旨

11.8市民集会での塩崎賢明さん講演「巨大災害に備える自治体の課題」の要旨を紹介します。文責は、どないネット事務局にあります。

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巨大災害に備える自治体の課題

今年は、日本を連続災害が襲った。しかし、今年が例外的とは言えない。地震について言えば、日本はきわめて特殊な国土であり、日本には分かっているだけで約2,000の活断層があり、プレートの圧力が高まって内陸のひずみが増大する「ひずみ集中帯」が何本も走っている。南海トラフの前にも地震が多発しており、異常気象もつづく。毎年、今年のような災害が起き、しかもどんどん悪化していく可能性が高い。

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災害への対応では、事前予防・救急対応・復旧復興のサイクルがあるが、問題なのは復旧復興の過程で膨大な被害が出る「復興災害」である。確かに事前対策は必要で、高知県黒潮町には34mの高さの避難タワーがあり、南海トラフの津波が来た時には、ここに逃げれば命は助かるかもしれないが、その下の街並みは破壊され、住まいは失われてしまう。災害の後にどのように生き延びるか、が大きな問題となる。

災害に関する法制度には、災害対策基本法と災害救助法がある。基本法では、市町村が災害対応の基本とされている。しかし、市町村には財政も乏しく、力量もない。東日本大地震のあと、それまでの「公助」に加えて「自助」と「共助」が特に強調されるようになった。市町村や住民の自主性尊重は重要だが、国の責任逃れになってはいけない。

最近の災害の特徴は、関連死が増加していることである。熊本地震で、直接死が55人だったの対して、関連死は212人にのぼり、四倍近くになっている。死亡者には弔慰金が出るため、死者の数は把握されるが、その一歩手前を含めて病気になった人の数は把握できない。関連死の主な原因は、避難所生活や避難所への移動にある。関連死以外にも、関連疾患や災害による生活苦、住まいがなくなったり、被害を受けたことによる困難などもある。

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(北伊豆地震の写真は、出典:毎日新聞社)

避難所は、1930年の北伊豆地震の際から90年経っても全く進歩がなく、床の上に雑魚寝するなど非人間的なままである。だから、避難所に行かない人も大勢いる。日本の避難所のトイレは工事用のトイレであり、食事はおにぎりというのも、関東大震災の昔と変わっていない。新潟大学の榛沢さんは「体育館の雑魚寝や車中泊は、血管に血栓ができるなどエコノミークラス症候群になりやすく、食事やトイレも含めて、避難所・避難生活の改善が急務」と主張されている。床の上に雑魚寝すると、口が床から近いところにあるため、ほこりなどを吸い込んでしまい、非常に不健康だ。

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国際的に見れば、アメリカの災害避難所環境アセスメントでは、「水道・お湯が使える」「1人当たり3.3平方米以上のスペース」「電気が使える」「避難所で食事を作る、食事は冷たくない」「十分な簡易ベッド、マット」「ベッド、布団の定期的交換」「おむつ交換の場所は清潔」「子どもの遊び場には手洗い場がある」などが定められている。日本では、国がそのことを認識していないわけではなく、内閣府が「避難所の生活環境の整備等について」を出して、避難所の長期化に際して備えるべきものを書いているが、実際には改善されていない。

福祉避難所があるのは45%にとどまっていて、しかも実態は福祉施設が避難所にされている。これでは、普段から入所者で満杯なので、災害時に避難者を受け入れられない実態となっている。

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イタリアの避難所を見てみると、医療施設や食堂があり、簡易ベッドも備えられている。トイレとシャワーのユニットも用意されている。食事は、1時間に1,000食を作ることができるというキッチンカーで調理された温かいものをテーブルで取ることができる。食事にはワインもついている。1980年のイタリア南部地震の避難所で提供された食事は、パン、スパゲッティ、ハム、ソーセージ、ビーンズ、スープ、ワイン・ジュース付だった。

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まずは避難所のTKB(トイレ・キッチン・ベッド)の改革=「清潔で使いやすいトイレ」「温かい食事を食卓で」「雑魚寝をやめ簡易ベッド」が必要だ。大阪の段ボール会社の社長さんが段ボールベッドを考案し、避難所に持ち込むと、最初は断られていた。

隠れた被災者としての「在宅被災者」の問題もある。避難所や仮設住宅に行けず、壊れた自宅で生活している被災者のこと。災害救助法による応急修理をしてしまうと、仮設住宅や公営住宅の申込みができなくなるのだが、このことを知らない人も多い。石巻では、震災以降ずっと壊れた自宅に住み続けている人もいる。

地震や豪雨による住宅被害では、一部損壊という住宅が非常に多い。しかし、一部損壊ではほとんど支援の対象にならない。人手不足で業者がこない、年金暮らし、高齢、介護、病院通いなどでお金がなく、自力では住宅修理できない人が「在宅被災者」になっていく。今日の高齢化社会、格差拡大の中で一般化する恐れがある。

災害に対する対応では、鳥取県の取り組みが進んでいる。災被災者一人ひとりのカルテを作り、ニーズを把握し、支援する「害ケースマネジメント」の制度を作った。2000年の鳥取県西部地震以降、基金の積み立てを行い、2年前の地震では半壊や一部損壊も支援した。

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仮設住宅には、鉄骨プレハブ、木造、みなし仮設がある。鉄骨プレハブ仮設住宅は住み心地は最低なのに、1戸当たり700万円以上のコストがかかる。

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木造だと地元の材料を使い、地元の工務店が作るので、地域活性化にもつながり、コストも400万円である。みなし仮設(借上げ仮設住宅)は、自分で選べるし、早く入居できるのだが、問題点もある。日本に800万戸の空き家があり、これを活用するのも方向性としては正しいが、いろいろ問題もある。

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イタリアの仮設住宅を見てみると、日本との違いに驚かされる。いくつかの種類があるが、いずれも広さは60㎡〜100㎡あり、3LDKや4LDKで家具はあらかじめ付いている。これでも、イタリアの被災者からすれば狭いと感じられるようだ。

日本では、災害公営住宅も多く建てられてきた。その中で問題となったのは、孤独死の問題である。阪神・淡路大震災での孤独死は、震災後の22年間で1,259人にのぼる。災害公営住宅で孤独死を発生させないように、というのが最大の教訓になっている。この災害公営住宅がベストの答えかというと、そうは言えないところがある。自力再建できない人のセーフティネットとしては重要だが、本来は自分の生活にあった住宅を自由に選べるのがベスト。20年後の復興住宅では、高齢化、リーダー不在、孤独死などの問題が出てくる。

国の被災者生活再建支援制度は、阪神・淡路大震災の被災者の運動の成果だが、支援金が最大100万円で、阪神・淡路大震災には遡及適用されなかった。2000年の鳥取県西部地震では、当時の片山知事が県単独で300万円の支援金を支給した。その後、法改正で、国からの支援金も最大300万円となった。各自治体では、住宅再建支援金の上乗せがあるが、本来は同じ災害で、自治体によって支援に違いがあるのはおかしい。全国どこでも同じように支援が受けられることが大事。

「復興」=都市整備というのが「伝統」になっているようだが、これは永遠不変の原理ではない。東日本大震災の「復興」で、大規模な移転事業がすすめられているが、1戸当たりのコスト非常に高いものになっている。インドネシア・スマトラ津波の高台移転では、市街地から遠いために空き家が増え、学校も荒れ放題になっている実態もある。

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今後予想される南海トラフに対する備えとしては、まずは早期に避難することが大事で、早期避難で12.5万人は助かると想定されている。最大津波水位は3~4mと想定されているが、台風などと重なったら、これでは済まない。大阪特有のリスクもある。人口島の危険性は、東日本大震災の際のWTC被害や台風21号での関空水没で立証済み。夢洲でカジノや万博というのはとんでもないことだ。台風21号では、「想定外」のことがたくさん起きたが、南海トラフはその比ではない。テレビで池上彰さんが夢洲にカジノを作ることについて、「こんなところでカジノをやること自体がギャンブルですね」と言っていたが、その通りだ。

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災害には起こったあとの復旧・復興の備えが必要である。避難所の改善はすぐにでも実行すべき。財源を有効に使い、被災者が喜ぶ無理のない復興の仕組みを作らなければならない。自治体首長は最前線で復旧・復興に取り組む構えを持たなければならない。「こんなことは初めて」というのは、毎年どこかで災害が起きているのだから、単に不勉強なだけである。

また、国民意識の改革も必要だ、おにぎりを差し入れてもらって有難がるのはおかしい。そして、防災・復興を常時考える「防災・復興省」がぜひとも必要である。東日本大震災の復興事業には32兆円使うことになるが、うまく使えていないのは、省庁ごとの縦割り事業になっていて、全体を考える人(部署)がいないから。

憲法改正による「緊急事態条項」は不要だ。現行法の活用で十分対応できる。非常事態宣言が一度出されると、解除されないままに独裁への道を歩む可能性があり、大変危険である。

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自力仮設住宅という選択肢もある。インドネシアでは、被災者自らの手で「増殖型自力仮設住宅」としてのコアハウスという取り組みもされている。まず、資材を自分たちで購入し、大学教員や学生の指導を受けて、共同作業で鉄筋コンクリートの小さな住宅を作る。そのあと、2倍、3倍と拡大していくというもの。また、石川県輪島市では、2007年能登半島地震のあと、当時の総務部長の発案で、自宅敷地に公営住宅を建設するという取り組みを行った。自宅敷地の一部を市に寄付し、そこに公営住宅を建設する。すでに水道・電気・ガスなどは来ているから。建設コストは安くなる。将来の払い下げも視野に入れていて、行政と被災者がウィンウィンの関係になる。

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イタリアでは、ローマに市民安全省があり、750人の職員がいる。災害発生後1時間で、首相を含むトップ会議が開かれ、そこにはボランティア団体代表も参加する。地下のオペレーションルームでは、軍・警察・消防・赤十字などがそれぞれ昼夜三交替でモニタリングしている。イタリアのボランティア団体は日本とは違い、何らかの専門性を持つメンバーを登録していて、その数は140万人にのぼる。原則として、2週間のボランティア休暇が保障され、交通費・宿泊費などの実費は国費で支給される。ボランティア団体の一つであるValtrignoの拠点を訪問したが、この団体は元警察署長のマルコ会長が夫婦2人で設立し、いまでは600人が活動している。ボランティア団体は、倉庫の中に機材を揃えていて、救急車やキッチンカーなども所有している。
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2018年05月20日

奈須りえさんの講演動画を公開

5月17日のどないネット主催の学習講演会での奈須りえさんの講演が、大阪市を知り・考える市民の会の編集によって、動画で公開されました。集会に参加できなかった方は、ぜひご覧ください。

https://youtu.be/kfBHLGB-w58

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2018年02月04日

【紹介】日本で一番財政が豊かな23区で保育園待機児が解消されない理由と「特別区制度(都区制度)」

東京の太田区議である那須りえさんのブログに、興味深い指摘が掲載されています。タイトルは、”日本で一番財政が豊かな23区で保育園待機児が解消されない理由と「特別区制度(都区制度)」”です。

先日の街宣でも、那須さんの指摘を参考にして、「東京都は金持ちだから大型開発してる。でも、東京都に税収を奪われて、教育や福祉をする特別区はお金がない。大阪都構想で、同じ特別区になればどうなるか。今よりも大阪市の市民サービスへのお金は無くなり、カジノなどの大型開発にお金を使われる」といった話をしていたら、反応を感じたとは、参加者の感想です。

那須さんは、この記事の中で、
◉日本で最も財政が豊かな23区で、保育園の待機児や特養の待機者が多いのはなぜか
◉保育園や特養に使うお金は足りないのに、東京では、再開発やオリンピック、道路鉄道交通網インフラ整備、臨海部の開発などがなぜ目白押しなのか
という疑問に対する答えとして、「都区財政調整制度」の存在を挙げています。

詳しくは、那須りえさんのブログをぜひお読み下さい。
http://blog.goo.ne.jp/nasrie/e/38f84d70115d8e586ec5159967bafcfd
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2017年07月27日

森裕之さん講演『住民自治を考えるー大阪の再生をもとめてー』の動画

7月16日に開かれた大阪を知り・考える会主催の学習会での森裕之さん講演『住民自治を考えるー大阪の再生をもとめてー』の動画がyoutubeにアップされています。ぜひご覧ください。森さん講演の動画はこちらから。

また、森さんの講演内容を当日参加したどないネットの運営委員がまとめました。動画を見る際の参考にしてください。文責はどないネットにあります。

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住民自治を考える〜大阪の再生をもとめて
森裕之さん(立命館大学、大阪自治体問題研究所)

現在、「住民自治」という言葉が曲解されて使われている。スローガンとして使われ、市民が何かいいことあるかと思わされてしまう。日本は、地方自治に関する規定が憲法の中に入っていて、これは世界では珍しいことだ。地方自治の重要な構成要素として、住民自治がある。

地方自治という理念は、住民が生活権を確立し、地域の暮らしを発展させるための主体として、地方政治に参加することである。

これには、二つのキーワードがある。つまり、「参加」と「分権」である。「参加」とは、選挙に行くだけでなく、問題が起きたときなど積極的に地域の問題にかかわっていくこと。「分権」とは、参加しても、それが有効でなければ意味がない、話し合ったり決めたりしたことが政党であれば実現することが大事、制度への反映が保障されていること。

大阪という大都市において、統治機構をどうするかという話がされてきたが、分権の話だけで住民の参加という理念が抜け落ちている。行財政の効率化や権限・財源の委譲の話はあくまで分権の話であって、参加の話ではない。行政の言う住民自治は、特別区にしろ、総合区にしろ、分権の話のみになっている。両方が必要で、参加なき分権は政治の翼賛化、首長独裁の危険性があり、分権なき参加は住民にとって意味がないことになる。

地方自治における参加の意味を考えてみると,政治に住民が直接参加できるのは地方自治だけなので、政治の是非を大所高所からではなく、身近な所で判断できるものになる。政治の姿を見ることや学ぶことができる。つまり、地方なら政治に参加できて変えることができる。

先進事例を紹介したい。

まず最初は、長野県飯田市で、ここには飯田市自治基本条例(2007年制定)があり、市民が主体として、参加する権利があることを明記していて、市民の努力規定もある。多くの自治体でこうした条例があるが、出されただけで真剣に実施しようとしていない。

飯田市での一つの取り組みとして、再生エネルギー利用がある。日照時間が長いこともあり、太陽光発電や小規模水力発電の取り組みがすでにすすめられてきたが、それを条例として制定した。そこでは、地域環境権を規定している。

行政が小さくなるのと自治が小さくなることは別のことだ。行政のコンパクト化とともに大きな自治を実現していくことが大事。全住民が参加できる地域自治組織をつくり、行政がそれを受けとめることが必要。

飯田市の場合、市町村合併によって周辺部の人口が減っていないが、これは自分たちがまちづくりに参画しているためと考えられる。全地区に公民館を設置し、中央公民館や分館は住民がいろんな話をする場になっている。新採職員を公民館に配置して、地域住民と直接接することで、地域の要求実現のために頑張るようになる。さまざまな活動の土台に公民館活動がある。全地区で総合計画をつくっており、それに基づいてまちづくりをしている。

飯田市の地域経済についてだが、計画実現のための財源作りに取り組んできた。国からの補助金が減ったときに備えて、地域の経済自立度を高めるために、地域内循環型経済をめざした。その地域に合った経済のあり方を模索している。それは地域の将来像と関連している。

飯田市は環境を大事にしている。防犯灯のLEDへの切り替えを国からの補助金でする際に2つの問題点があった。「防犯灯が高すぎる」「大手メーカーに発注すればお金が外へ出ていくだけ」の2つ。これを、地域の企業に安価なLED防犯灯設置の提案を求めることで解決。提案の2ヶ月後に試作品が完成し、地域外への売り込みも可能になった。市長がトップセールスしている。

太陽光発電、保育所などのとりくみも地域住民主体でやっている。それには行政のバックアップが必要で、そういう行政をどう作るのかが課題となる。

先進事例の二番目は、アメリカのニューヨーク市でのコミュニティ委員会のとりくみ(1977〜)。コミュニティ委員会は、都市内自治の母体として機能している。大阪市の行政区とほぼ同じ住民規模で設けられている。コミュニティ委員会には、いくつか権限がある。

土地利用計画を審査・勧告する権限があり、決定は市議会だが勧告の8〜9割が認められている。行政サービスの監視権限や予算優先順位の策定・予算提案の意見書を提出する権限も持っている。市議会にはこの意見書の尊重義務があり、採択しなかった場合はその理由を説明する義務もある。地区ごとに一定のお金を下ろすのではなく、地区住民が市予算にかかわっていく。実際に採択されたのは平均3割で、無視できない数字である。

大阪の問題として、「大阪都構想」「副首都」と自治について考えてみたい。大阪市による総合区の説明には、参加と分権が入り混じって書かれている。区役所で住民サービスをするためには費用と予算が必要で、だから合区するという話に結びつけている。どんな仕事を総合区にさせるかは決まっていない。だから合区前提というのはおかしい。

区政会議(橋本が平松元市長の政策のうち唯一引き継ぐとしていたもの)との矛盾がある。合区を考えているのだから、区政会議はガス抜きのためでしかなくなる。大阪市は住民自治について非常に失礼なことをしてきたと考える。

4区か6区という特別区の区割りが示された。非常に怒りを感じた。住民参加の立場からは区の数を増やさなければならないし、効率化のためなら減らさなければならない。しかし全く理念が感じられない。奇数を偶数に変えただけだ。
posted by terama at 14:45| Comment(0) | 都市問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする