2018年12月25日

大阪万博の誘致成功でまた蘇った大阪都構想。万博と大阪都構想は両立できるのか(幸田泉さん)

フリージャーナリストの幸田泉さんが、「大阪万博の誘致成功でまた蘇った大阪都構想。万博と大阪都構想は両立できるのか」という記事を yahooニュースに書かれています。以下、その冒頭部分を転載します。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

2025年開催の万博の誘致に成功した大阪。「大阪維新の会」の松井一郎知事と吉村洋文・大阪市長は「府市が一体となって誘致活動に取り組んだ成果」と調子づくが、地元住民にとっては喜んでばかりいられない事態になっている。松井知事と吉村市長らはこの勢いに乗って、維新の看板政策である「大阪都構想」を万博とセットにして前に進めようとしているからだ。

冷めたピザの大阪都構想を万博の熱で温め直す作戦

 政令指定都市の大阪市を廃止して特別区に分割し、大阪市の財源と権限を大幅に大阪府に移譲する「大阪都構想」は、2015年5月、大阪市民対象の住民投票で否決された。松井知事ら維新勢力は「再チャレンジする」として昨年、大阪都構想の設計図を決める法定協議会を再設置し、大阪府市の共同部署「副首都推進局」を事務局として検討、協議を続けているが、肝心の市民の支持は低落。今春のマスコミの世論調査では「大阪都構想に賛成」は3割を切り、当初、松井知事らが今秋に実施を目指していた2度目の住民投票は見送られた。

 すっかり「冷めたピザ」となっていた大阪都構想を、維新は万博の熱で温め直そうとしている。11月24日に万博誘致が決定すると、松井知事と吉村市長は「来年夏(2019年夏)の参院議員選挙と大阪都構想の(2度目の)住民投票を同日実施する」とか「来夏の参院選挙までに住民投票を実施したい。同日も有力な選択肢」などと発言し、新たなスケジュールを示した。

 11月30日の大阪市議会本会議で吉村市長は、万博に関する質疑で「(誘致が成功したのは)府市一体になったのが大きい成果。万博誘致が決まった瞬間、前前市長の平松市長はツイッターでさっそく『万博に反対』とおっしゃっていましたので、平松市長、橋下知事であれば絶対に成功できなかったのが万博であり、その背景にあるのは府市の関係」と答弁した。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

この記事全文は以下からお読み下さい。
https://news.yahoo.co.jp/byline/koudaizumi/20181220-00108355/

posted by terama at 09:16| Comment(0) | 大阪万博 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年12月13日

万博(カジノ?)関連の補正予算が可決(大阪市議会)

IMG_1453.jpg

12日、大阪市の補正予算案が大阪市議会で共産党を除く会派の賛成多数で可決されました。自民党が提案した付帯決議は1票差で否決されました。

今回の補正予算は、提案の上では3つの補正予算からなっています。「一般会計補正予算」「港営事業会計補正予算」「下水道事業会計補正予算」の3つです。

このうち、「一般会計補正予算」では、「鉄道整備検討調査事業費」として1億3600万円が計上されています。これは夢洲への地下鉄延伸の調査費ということです。さらに、「2025日本万国博覧会開催に伴う夢洲地区埋立工事に対する負担」として3年間で50億円が計上され、これは夢洲埋立工事のために港営事業会計に繰り入れられることになります。吉村市長は、このうち半分の25億円は大阪府に負担を求めると言っています。

次に、「港営事業会計補正予算」では、「夢洲地区埋立工事」として3年間で13億6140円が計上され、補正前と合わせると埋め立て工事費は13億7920万円となります。また、「夢洲基盤整備」として2億5300万円が計上されています。この埋め立て費用は夢洲2区の30ヘクタールを埋め立てるためのものですが、大阪市の計画では、この30haと3区南側の22haをあわせて万博会場にして、3区北側の70haをカジノ予定地にするとしています。これについては、万博会場としてなら、すでに造成がほぼ終わっている夢洲3区90ヘクタールの土地を使えば事足りるではないか、あえて万博を未造成地に建設するのはカジノありきではないか、という批判が市議会でも上がっていました。

3つ目の「下水道事業会計補正予算」には、「抽水所工事」に6000万円、「処理場工事」に1000万円が補正計上されています。これは、万博開催に伴って新たに発生する下水処理のために、此花区の下水処理場と舞洲抽水所(ポンプ場)の機能を増強するための基本設計費用とされています。現在夢洲にあるコンテナ基地やコンビニの下水は浄化槽で処理されているとのことで、万博だけなら6ヶ月で終わるわけだから浄化槽で対応できる、わざわざ下水を引くのはカジノのためではないか、という批判が共産党の山中議員から出されていました。

また、否決された付帯決議の内容は以下の通りでした。

11月23日のBIE総会において2025年万国博覧会の開催地が大阪・関西と決定された。今後、2020年のBIEへの正式登録までに、事業の主体となる新法人(博覧会協会)が設立され、会場基本計画案をまとめることになる。しかし、今回の補正予算は、主体となる博覧会協会が設立される前に、また事業費などの全体像が掴めない中で、今後の会場計画に大きな影響を与える会場予定地の埋め立てを進めるための補正予算であること、埋立地は大阪市の廃棄物等の処分地であり、今後の大阪市の廃棄物処理計画への影響も大きいことなどから、本来なら相当慎重な議論が必要である。ただし、今回の補正予算が承認されなければ、今後の万博開催のスケジュールにも重大な影響を及ぼしかねない。よって、補正予算の執行にあたっては、次の事項に留意し、開催準備を進められたい。

1.主体となる博覧会協会が早急に設立されるよう働きかけるとともに、会場基本計画などをまとめ、全体の事業費を明確にすること。
2.早急にインフラ整備などの関連事業費の全体像を明確にすること。
3.1及び2を踏まえ、全体の事業費が想定を上回る場合には、補正予算執行中であっても、会場基本計画の見直しなど柔軟な対応をとること。
4.大阪市の廃棄物処理計画、フェニックス計画への影響についても早急に調査し、必要な対応策についても検討すること。
5.インフラ整備などの関連事業費も含めて、大阪府に対して広域自治体として大阪市と同等の負担を確実にしてもらうよう求めること。
posted by terama at 14:17| Comment(0) | 大阪万博 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年04月14日

夢洲の万博・カジノ予定地を視察

天満橋周辺での署名行動のあと、参加者は、維新の会が万博やカジノ・IRの候補地としている夢洲の視察をおこないました。
全港湾大阪支部に用意していただいたマイクロバスで、まず咲洲の大阪府咲洲庁舎に向かいました。ここでは55階にある展望台に上り、まず湾岸地域の全体像を把握するとともに、夢洲全体を上から見て、現在の状況を確認しました。参加者からは異口同音に、こんなところで万博とカジノ・IRを同時に進めるのは無理や、との声が出ました。夢洲ですでに稼働しているコンテナ基地以外は、まだ土地が固められていないままで、水面が残っている部分も相当あります。

IMG_1453.jpg
IMG_1452.jpg

港湾労働者の立場からは、今でさえコンテナ運送のトラックで渋滞しているのに、仮に万博やカジノの工事車両が通るとすれば、荷役がストップしかねない、そのしわ寄せが港湾労働者の押し付けられるのではないか、という懸念も述べられました。

IMG_1454.jpg

この後、実際に夢洲の中を回ってみて、こんな狭いところで万博とか無理、というの実感です。参加者は視察を終えると、田中機械内の地底食堂で交流会を開き、この日の視察行動の感想などを語り合いました。

IMG_1458.jpg
ラベル:万博 カジノ
posted by terama at 22:31| Comment(2) | 大阪万博 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする