集会の冒頭に、どないネット代表の高井さんが主催者を代表して「選挙に勝ったら何をやってもいい、悔しかったら選挙に勝ってみろ、という維新に対して、来年の選挙で大阪市会の過半数を取らせない闘いを進めていこう」と開会のあいさつをおこないました。
メインの講演では、桜田照雄さん(阪南大学教授)より、ⅠR・カジノを大阪に誘致させないために、どのような課題で運動を進めるかについて、法律論、カジノ法に基づく事業者の諸問題、カジノ行為自体の違法性、事業者の求める採算性、融資する銀行への対策、大阪府市の財政問題、立地「夢洲」の諸問題などについて問題提起をいただきました。その中で、桜田さんは「夢洲IR・カジノの認可申請は大阪府が主体なのに、事業者のMGM=オリックスに丸投げし、大阪府も事業者も『事業計画の妥当性・客観性』を一切明らかにしていない。三菱UFJ銀行と三井住友銀行がコミットメントレターを出しているから、事業計画は精査されているはずで、事業計画は妥当性・客観性を持っているという論理だけである。そんな認可申請を国は認めるのか」と疑問を投げかけました。また、カジノのもたらすマイナス効果について、「4933億円の利益が想定されているが、それはその分客が負けたということだ。それだけ消費が減退することになる。こうしたマイナス効果は考慮されていない。中国からのVIP客が見込めない中で、カジノ収益計画は一日に4万5千人が15万円ずつ使うことで達成できるというもの。そのことによるギャンブル依存症の増大とそのことによる支出増(たとえば生活保護費増)もマイナス効果となる」と説明しました。
さらに港湾労働組合から、国分仁昭さん(全港湾大阪支部副委員長)が大阪港で働く港湾労働者は「カジノ」に反対して闘う、とのアピールを受けました。
その後、会場討論に入りましたが、それに先立って、どないネット事務局長の馬場さんから、「現在進行中の活動を強化するとともに、来年春の統一地方選挙で『IR・カジノ』の是非を最大争点とするためのとりくみを進めていこう」との行動提起案が提案され、それを受けてのべ10名を超える方から発言がありました。
この討論集会では、「カジノ」問題は大阪の未来を決める重大問題であり、大阪府全体の課題とし、来春の統一選で知事・市長選や議員選の最大の争点とできるように、今から各地での運動の再構築に向けて前進しようとの意志を共有できたと思います。議論の不十分な点は、今後の運動の中で議論を深めて具体化を図る必要もあります。また、活動へのカンパも、参加者から熱いご支援をいただき、この場をお借りしてお礼を申し上げます。