2020年02月22日

万博の環境アセスについて、夢洲懇談会が大阪市・万博協会と協議

2月21日、夢洲懇談会=夢洲の都市計画変更を考える市民懇談会(どないネットも参加しています)が、万博開催についての環境アセスについて、大阪市および万博協会との協議を行いました。また、協議に先立って、大阪市役所前で宣伝行動を展開しました。

12時に大阪市役所前でスタンディングとチラシ配布行動をはじめました。

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ハンドマイクで「夢洲での万博が本当に安全・安心に開催できるのか」「市民の意見を取り入れた環境アセスを実施すべき」などと訴えました。

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14時からの大阪市の協議には約20名が参加。大阪市からは、環境局・港湾局の職員が対応しました。

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まず最初に、環境アセスの方法書について審議している専門委員会の大阪市への答申・方法書について万博協会に送る市長意見のスケジュールを質問し、市長意見の早期公開、SDGsの考え方を活かし、市民の意見を考慮した市長意見を要望しました。これに対して、環境局の担当者は「現在、専門委員会において審議中で、2月26日に全体の委員会を開催し、検討結果報告書の取りまとめを審議する。そこで、答申が出るかどうかはわからない。3月6日まで市長意見を述べるように条例で定められている。市長意見が出された当日付で報道提供とHPでの公開を予定。市長意見に報告書は添付されるし、報告書も出された日に公開する。市民意見は51通出ている。専門委員会には市民意見は伝えている」と答えました。

以下、主なやりとりです。(夢)が夢洲懇談会からの発言、(市・環境)(市・港湾)が大阪市からの回答です。

(夢)愛知万博の際の環境アセスに関わった。愛知万博は「環境万博」と言われるように、環境問題に積極的にとりくんだ。それにふさわしいアセスを、ということでとりくんだ経緯がある。大阪でも、世界に誇れる環境アセスにして欲しい。愛知万博では、博覧会理念に資するアセスなどを軸に考えられた。大阪では、新しくSDGsをかかげている。会場計画にもSDGsの視点が必要。方法書に対する市長意見にSDGs、大阪市環境基本計画にもとづく視点を入れてもらうことを期待している。
(夢)本日の協議で求めているの次の4点。
1.SDGsに基づいた環境アセスメントの実施。
2.評価項目に防災面、火災や台風、地震など緊急時の対策を検討する「リスクマネージメント」を組み入れること。
3.大気汚染の調査箇所を増やすなど、アセスメントの地理的調査範囲を広げ、複数案の環境影響予測をすること。
4.会場と隣接する稼働中の物流地点への影響、IR・カジノ開発を含む複合影響を検証・評価すること。
(夢)万博を通じて、SDGsへの貢献をどの様に具体化していくのか?環境アセスもその一つ。方法書にはSDGsについて全く記載がなかった。大阪市環境基本計画の中に万博は位置付けられているのか?
(市・環境)方法書は、環境基本計画に準じたもの、齟齬がないように、専門委員会でも、環境基本計画やSDGsの観点を踏まえて審議されている。SDGsを無視した環境アセスはありえないと思う。どこまで書かせるか、は課題。専門委員会の審議を注視して、答申が出された時点で考える。市長意見を踏まえた準備書になるべき。言うべき点は言っていく。
(夢)SDGsの理念だけを書くのではなく、具体化が大事。このままでは国際的批判を浴びる。胸を張って言えるところを作っていくべき。
(夢)SDGsの達成について、気候変動・地球温暖化が重要。この観点から、建設・開催中・撤去の各段階でのCO2排出量の予測が必要だ。
(市・環境)万博企画書でもCO2については書かれているが、それでいいのかをも含めて、専門委員会で議論されている。審議項目にも入っている。答申にも反映されてくると思う。答申で出てくれば、市長意見にも反映されることになる。
(夢)干潟の地球温暖化の緩和作用が指摘されている。夢洲は生物多様性ホットスポットに指定。そういう環境を保全についても環境アセスの中に入れて欲しい。
(夢)万博の先進的とりくみに学び、事業アセスではなく、戦略的環境アセスをやる必要がある。環境省による夢洲の調査で、野鳥の種類が日本で一番多かった。
(市・環境)条例があるので、方法書が出ている段階で、いまさら戦略的環境アセスに変えることはできない。
(夢)事業計画が不鮮明なので、アセスが十分できない。もっと事業計画を具体的にはっきりと示して欲しいという市長意見を出すべき。
(夢)方法書全体が万博の理念に沿っていないではないか、という指摘が出ている。
(市・環境)方法書は指針に基づいて書かれているので、間違いないと思う。
(夢)廃棄物について、方法書では建設時と撤去時しか書かれていない。開催中の廃棄物について、まさか使い捨てプラスチックを使うとは思われないが、書かれていない。書くべきではないかと思わないのか?
(市・環境)開催中の廃棄物についても予測対象になっている。

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(夢)取り壊されることを前提にしている。壊しやすいものを建てた時の「リスク・マネージメント」をどう考えるのか?南海トラフの想定があり、開催期間中にも起こりうるということを前提にした「リスク・マネージメント」が必要。液状化の問題について、液状化は起こらないとしているが、土質のサンプリングのデータを見ると、液状化を起こした六甲アイランドとそんなに変わらない。護岸のコンクリートが現に壊れていることを踏まえた対策が必要。
安倍]防災面では、環境アセスで取り上げる問題ではないので、専門委員会での審議もされていない。防災については環境局で扱う問題ではなく、知見もない。
(市・港湾)シミュレーションなど検討を始めている。ソフト的な面は万博協会が担当、ハード面は港湾局。高潮対策も港湾局が担当。
(夢)環境アセスに含まれていないからといって、防災を切り捨てていいのか。
(市・環境)環境評価条例には、防災が含まれていない。防災の専門家は、専門委員会にいない。アセス法にも防災は含まれていない。
(夢)環境アセスの歴史は浅い。アセスの範囲を広げるべき。条例から逸脱する問題はどこの部局に言えばいいのか?
(市・港湾)防災は港湾局の一番の課題。10年計画で予算をつけて、順次、防潮堤の整備を進めている。防災を薄めて万博にするという考えではない。
(夢)方法書では、大気汚染の調査場所が3ヶ所だけ。アクセスの入り口だけ。車が集中することを考えるならば湾岸5区に広げるべき。大阪ではまだ多くの方が喘息で苦しんでいる。
(市・環境)意見の内容は把握しているので、専門委員会に伝えている。調査地点についても審議してもらっている。交通量の予測次第では、調査地点を増やすことも考えられる。
(夢)答申と市民意見とが違った場合には、市長意見に市民の意見を反映していくというのが筋。10日間で、答申にプラスした意見がどれだけ盛り込まれるか、単に書き写すだけでは市長意見の意味がない。
(市・環境)専門家の意見は無視できない。
(夢)夢洲内で複数の事業が行われる。その時期も含めて、変動が予想される。環境評価のやり直し。事業計画にかかわってくる。
(夢)IRや物流も含めた総合的な環境アセスが必要ではないか。
(市・環境)物流については現に稼働しているので、それを加味した環境アセスになるはず。準備書の段階では、予測が含まれるので、IRも加味することになる。
(夢)IRについての大阪市による環境アセスの代行は、松井市長によるミスリード。単なる「現況調査」だとIR推進局が認めた。
(夢)港湾施設が工事で使えなくなることへの対策。移転するという話もある。認可の関係で、簡単に移せるという話ではない。他の港に移ってしまえば、製造業者も物流コストの問題があり、移転するかもしれない。大変な問題。
(市・港湾)万博工事中や開催中に、なんとかやりくりして、損害を避けるようにしたい。港湾局は、物流を維持することを第一に考えているが、万博も成功させなければならない。
(夢)夢洲の港湾機能はよそには移せないもの。よそに移せば、荷は戻ってこない。
(市・港湾)万博の後も維持できるようにしたい。一部、その時期に対策を立てていきたい。

最後に、夢洲懇談会から、「穴のあるプランになっている。無理もある。3つのファクターが夢洲の中でからみあっている。限界とか、改善すべき点とかを市民と力を合わせながら、より良いものにしていく努力が必要」「万博理念に資するアセスが必要だが、この方法書では事業計画が生煮えで、これでは事業アセスもできない。リスクが大きいところで万博を成功させようとすると、アセスのやり直し、段階を踏んだアセスが必要。3つを同時並行的に解決しようとするのは至難の技。万博のために、港湾は邪魔、国際博覧会協会もIRも少し待ってくれ、ということになっていて、状況は一年前とは違っている。環境アセスを条例に縛られずに、万博理念にふさわしいものにしてほしい。答申が出た後、環境局として、環境基本計画に沿って、意見を書き込んで欲しい。準備書の前の段階で、しっかりやる必要」との要望が出され、協議を終わりました。

約2時間にわたる協議を終えると、大阪市役所から咲洲にあるWTC(大阪府庁・咲洲庁舎)へ移動。WTCの43階にある万博協会との協議を行いました。万博協会との主なやりとりは以下の通りです。

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(夢)環境アセスの今後のスケジュールと考え方は?
(協会)方法書を11月に大阪市に提出。3月6日までに市長意見を出してもらうことになる。2020年度末までに準備書の手続きを終えたいと市当局と調整。市長意見のうちの反映できるものがあれば反映する。いただいた意見、市長意見も踏まえて、今後の手続きに反映させていく。
(夢)万博協会は大阪市に新しい交通アクセスとして、橋の新設を要望したと報道されていたが、事実か?
(協会)大阪市に新橋の設置を求めたという報道は事実である。新しいルートがもう一つあれば、客の増大に対応できる。増大を危惧しているので、新しいルートについて相談している。安全・円滑に客を運ぶということと合わせて、物流への影響をきたさないように検討したい。われわれは、必要でないか、という主張をしていて、その主張に理解をいただいてからの話になる。財源については、どういう事業(国からの補助or単独事業)でやるのかわかっていない。誘致の時は愛知博の数字をもとにしているが、事業予測の再検証をしているところ。上振れした場合の対処を考えている。
(夢)環境問題が大きなテーマとなっていた愛知万博の経験から、博覧会理念に資する環境アセス、会場計画に合わせた環境アセス。長期的な整備事業と整合した環境アセスが大事だと思う。愛知万博の経験を継承する姿勢が希薄。事業計画が生煮えで、これでアセスができるのか疑問。
(協会)生煮えであるという点については指摘の通り。これから基本計画を作っていく段階。今考えられる事業でどういう選択肢があるのか、最も影響があるのがどれか、考えながらすすめていきたい。愛知万博は参考にしながら、すすめていきたい。

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(夢)今回は「SDGs万博」と言われるべきだが、方法書の中に全くSDGsが入っていない。環境アセスの中にどういうふうに具体化していくのかが見えてこない。恥ずかしくない「SDGs万博」と言われるように、環境アセスもすべき。CO2についても、開催中の排出しか言及されていない。建設、撤去の際のCO2排出。
(協会)2025年はSDGsの中間段階で、万博で検証していくものと位置づけ。来場者がSDGsについて議論できるような場を作る。現段階では、そういう認識とだけしか言えない。
(夢)CO2排出について、建設、開催中、撤去の時の排出削減を議論しているのか?
(協会)議論はしている。環境アセス以外のところでも、打ち出す場面はある。東京五輪も1年くらい前になって、打ち出している。
(夢))環境アセスの中で、条例を超えて、排出量予測を入れるべき。気候変動、地球温暖化についてのアピールを早めに出す必要がある。
(夢)万博協会としての主体的判断やとりくみ、夢洲がリスキーな場所だということの認識にもとづいて、環境アセスはすべき。
(夢)安全・安心で万博を成功させるためには、何が必要なのか、夢洲で安全・安心なのか、非常にリスクがある。リスクは感じないか?
(協会)リスクはあると感じている。アクセスを考慮して、客の安全安心を確保するために、とりくんでいきたい。
(夢)1区から2区に排出される汚染水をどうするのか?水質は市民が触るのにふさわしくないと市港湾局は言っている。
(協会)あの水はそのままでは使えないので、それとは縁を切って、なんらかの水質改善をして、客に親しむ水辺をつくる。検討はしている。
(夢)市民の意見の内容までは承知していないのではないか?
(協会)来た意見については、事業者意見をつけて大阪市に返している。

約1時間の協議では、十分なやりとりはできなかったので、今後とも市民との協議を重ねていくように要請して、協議を終えました。

協議の中で、SDGs達成を理念として掲げられてはいるものの、具体的にどのように実現していくのかについて、大阪市も万博協会もプランを持っていないように感じられました。また、交通アクセスと建設・開催中の港湾事業の問題が、夢洲での万博開催の大きなネックになっていることも明らかになりました。夢洲懇談会では、専門委員会からの答申、市長意見を注視して、今後も大阪市や万博協会との協議を求めていくことにしています。
posted by terama at 09:45| Comment(0) | 夢洲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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