「夢洲・万博」の環境アセスメントの方法書に対する市民意見書の募集が現在行われています。提出締め切りは1月6日です。
カジノ施設と一体で夢洲開発を進め、カジノ・IR誘致が成功しなければ成り立たない「万博」なのに、万博の単独の環境アセスです。方法書は、入り口として重要なものです。短文でも長文でも1項目でも結構ですので、下記のところに意見を出しましょう。
(方法書は、大阪市HPの万博環境影響評価方法書で検索できます)
方法書についての「市民意見」の提出方法
*受付期間 2019年11月22日~2020年1月6日まで
*提出先(市長と事業者と二つあります)
市長に対しての意見
559-0034 大阪市住之江区南港北2丁目1番10号 ATCビル0‘s棟 南館5階
大阪市環境局環境管理部環境管理課 FAX 06-6615-7949
提出方法 持参あるいは送付・FAX・電子申請
持参〜休日・年末年始を除く 平日の9時~17時30分
送付、FAX,電子申請(大阪市電子申請システム)
事業者に対しての意見
559-0034 大阪市住之江区南港北1丁目14番16号 大阪府咲洲庁舎43階
公益社団法人 2025年日本国際博覧会協会 FAX 06-6625-8738 メール kankyo assess@expo2025.or.jp
提出方法 大阪市長と同じ
意見書に記載すべき事項
個人は氏名・住所 法人団体は名称・代表者の氏名・主たる住所
対象事業の名称
環境の保全及び創造の見地からの意見
*夢洲の都市計画変更を考える市民懇談会 は、12月25日に各代表で市長あて、万博協会宛ての意見書提出行動(説明を含めて)をATC、WTCで、それぞれ行います。午後に記者会見も予定しています。
参考までに、以下に、どないネットで提出を予定している意見書の案を示します。
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2025年万博・環境影響評価方法書への意見書
当団体は、2025年万博環境影響評価方法書に対して、下記の通り意見を提出いたします。
Ⅰ、第1章 事業計画との関連についての意見(1頁~14頁)
1、万博事業とIR事業の一体性から派生する下記の諸問題について検討されること。
(1)25年の万博は、大阪府・市の計画によれば単独で開催されるものでなく、隣に計画する「カジノを含むIR施設」とセット開催が目標とされ、両施設の土地造成は一体的で連続的に実施されていること。(IR予定地が第1期工事、万博予定地は第2期工事)
(2)大阪市の夢洲まちづくり基本方針(案)によれば、IR施設の整備は2020年度後半開始、万博会場は2023年度からの建設予定であり、IR施設が早く計画されており、多くの点で関連性が深く、万博会場単独の環境影響評価は意味をなさないこと。例えば、交通アクセスにしても大阪メトロ中央線の夢洲延長計画も「IR事業者」に202億円の費用負担を求めているし、島内の循環道路や夢舞大橋・此花大橋の拡幅問題もIR計画と一体の構想であり、万博だけでの投資は想定していない。
(3)方法書に記載されている種々の「都市インフラ」についても、大阪市の計画はIRをにらんで「恒久的」なものとして想定されており、万博はその一部に過ぎないこと。
(4)万博の諸経費負担にしても、経済界は「夢洲」の都市づくりの一環として考えられ、大阪府市の夢洲開発への財政投入も「万博」施設単独を想定していないこと。
(5)環境影響評価の選定項目や手法にしても、「万博施設」を対象とする場合、施設建設の時期には、すぐ隣の地で「IR」施設の建設が進行していることになり、IR施設の方が建築物の規模が大きく、高層建物であって、粉じん・騒音・建設資材搬入車の交通量など環境への影響の全般について、相互に加重となり相乗リスクも大きいと考えられること。
2、万博関連の環境影響評価は、IRの環境影響評価と一体で進め審理されること。
夢洲内諸施設の一部である「万博」会場に対する「環境影響評価」は、カジノを含むIR誘致
の成否と切り離せない問題であり、事業者が異なったとしても、IR事業者の行う「方法書」の
提出を待って、併合して進めるべきであると考える。
Ⅱ、事業計画における交通アクセスの諸問題について(9頁、来場手段との関係)
方法書に記載の計画によると、交通アクセスへの懸念がうかがえる。夢舞大橋、此花大橋の片側2車線から3車線の拡幅で賄えるように想定されているが、現在でもコンテナ輸送車両で、週末・週初めの渋滞が懸念されている中、下記の諸点から万博開催中の大渋滞が「物流経済」に与える影響は大問題であり根本的な調査、対策が必須と考え、この対策、方針を明記すべきこと。この対策が無ければ、国際コンテナ船舶の大阪港への寄港は敬遠されることは明白であり、大阪経済へのマイナス影響は計り知れない。
(交通量について略)
Ⅲ、環境影響評価方法書にない「台風・地震」など下記の諸問題への「防災対策」を影響評価の重要事項
に入れること。
1、夢洲が「台風」、及び「地震」の直撃を受ける「孤島」であること。夢洲の港湾岸壁はOP5m、咲洲トンネルの出入り口は同じ高さであり、即トンネル閉鎖が必要となる。夢舞大橋も通行止めを余儀なくされ、夢洲は「孤立」する。万博施設建物部分をどれだけ「かさ上げ」したとしても、6~7mの高潮又は津波で周辺が浸水・冠水の危険性が想定されること等を最重要の評価基準とする必要性。
2、昨年の台風21号での大阪港・神戸港におけるベイエリアの浸水・冠水による港湾施設やコンテナの流失・漂流、湾岸部の駐車場での自動車の散乱などについて、両港の港湾局関係者は、今後の対策を検討されている。例えば、ターミナル内のコンテナ段積高の低位化(5段から3段・2段の階段式へ)が必須で、そのためのターミナル拡張は大きな課題であり、万博・IR用地と物流用地との陣地争いは大阪経済の大きなリスクとなることを「災害対策面」からも再検証すべきである。
Ⅳ、夢洲の想定される「自然災害」や「火災」から命をまもる「避難所の確保・避難誘導」など、下記の対策を環境影響評価に位置付けること。
1、台風襲来の場合の万博会場休館の判断基準、立入り禁止や避難勧告・指示、世界への発信などの方法等を環境影響評価とセットで対策を明記すること。
2、事業計画書には記されていない緊急時の「避難場所」及び観光客の避難誘導などの対策を検証すること。
3、火災などの場合の消防署の位置、消化活動など対策を検証すること。
4、病院・医療機関等の対策を検証すること。
Ⅴ、以上記載した事項について、採用できない項目について、その「理由」又は「対策方針」を当団体
宛てにご回答いただきたく要望いたします。