12日、大阪市の補正予算案が大阪市議会で共産党を除く会派の賛成多数で可決されました。自民党が提案した付帯決議は1票差で否決されました。
今回の補正予算は、提案の上では3つの補正予算からなっています。「一般会計補正予算」「港営事業会計補正予算」「下水道事業会計補正予算」の3つです。
このうち、「一般会計補正予算」では、「鉄道整備検討調査事業費」として1億3600万円が計上されています。これは夢洲への地下鉄延伸の調査費ということです。さらに、「2025日本万国博覧会開催に伴う夢洲地区埋立工事に対する負担」として3年間で50億円が計上され、これは夢洲埋立工事のために港営事業会計に繰り入れられることになります。吉村市長は、このうち半分の25億円は大阪府に負担を求めると言っています。
次に、「港営事業会計補正予算」では、「夢洲地区埋立工事」として3年間で13億6140円が計上され、補正前と合わせると埋め立て工事費は13億7920万円となります。また、「夢洲基盤整備」として2億5300万円が計上されています。この埋め立て費用は夢洲2区の30ヘクタールを埋め立てるためのものですが、大阪市の計画では、この30haと3区南側の22haをあわせて万博会場にして、3区北側の70haをカジノ予定地にするとしています。これについては、万博会場としてなら、すでに造成がほぼ終わっている夢洲3区90ヘクタールの土地を使えば事足りるではないか、あえて万博を未造成地に建設するのはカジノありきではないか、という批判が市議会でも上がっていました。
3つ目の「下水道事業会計補正予算」には、「抽水所工事」に6000万円、「処理場工事」に1000万円が補正計上されています。これは、万博開催に伴って新たに発生する下水処理のために、此花区の下水処理場と舞洲抽水所(ポンプ場)の機能を増強するための基本設計費用とされています。現在夢洲にあるコンテナ基地やコンビニの下水は浄化槽で処理されているとのことで、万博だけなら6ヶ月で終わるわけだから浄化槽で対応できる、わざわざ下水を引くのはカジノのためではないか、という批判が共産党の山中議員から出されていました。
また、否決された付帯決議の内容は以下の通りでした。
11月23日のBIE総会において2025年万国博覧会の開催地が大阪・関西と決定された。今後、2020年のBIEへの正式登録までに、事業の主体となる新法人(博覧会協会)が設立され、会場基本計画案をまとめることになる。しかし、今回の補正予算は、主体となる博覧会協会が設立される前に、また事業費などの全体像が掴めない中で、今後の会場計画に大きな影響を与える会場予定地の埋め立てを進めるための補正予算であること、埋立地は大阪市の廃棄物等の処分地であり、今後の大阪市の廃棄物処理計画への影響も大きいことなどから、本来なら相当慎重な議論が必要である。ただし、今回の補正予算が承認されなければ、今後の万博開催のスケジュールにも重大な影響を及ぼしかねない。よって、補正予算の執行にあたっては、次の事項に留意し、開催準備を進められたい。
1.主体となる博覧会協会が早急に設立されるよう働きかけるとともに、会場基本計画などをまとめ、全体の事業費を明確にすること。
2.早急にインフラ整備などの関連事業費の全体像を明確にすること。
3.1及び2を踏まえ、全体の事業費が想定を上回る場合には、補正予算執行中であっても、会場基本計画の見直しなど柔軟な対応をとること。
4.大阪市の廃棄物処理計画、フェニックス計画への影響についても早急に調査し、必要な対応策についても検討すること。
5.インフラ整備などの関連事業費も含めて、大阪府に対して広域自治体として大阪市と同等の負担を確実にしてもらうよう求めること。
posted by terama at 14:17|
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