2017年07月14日

7/13学習集会・金光男さん講演要旨その1〜ソウル市の情報公開、橋本元大阪市長との類似性・相違点

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7月13日の韓国ソウル市から学ぼう!大阪のあり方を問う学習集会での金光男さん講演「朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長が進める地方自治」を3回に分けて紹介します。文責は、どないネットにあります。まず1回目は、ソウル市の情報公開、橋本元大阪市長との類似性・相違点についてです。

朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長が進める地方自治

一見すると全く関係のない都構想反対の皆さんのまえでソウル市政の話をさせてもらうのだが、朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長が就任以降の5年間で達成した成果をどれだけの方がご存知だろうか。朴元淳市長については、メディアでもほとんど取り上げられていないので、知らない方がほとんどだろう。
活字メディアで朴元淳市長を紹介したのは、湯浅誠さんが毎日新聞に書いたのが最初だと思う。「世界」八月号には朴元淳市長の文章が掲載されているが、ソウル市政についての調査・研究が徐々に始められているというのが現状だ。

ソウル市の徹底した情報公開制度

まず、情報公開の問題について話したい。
モリ(森友)・カケ(加計)行政文書問題は、日本の行政機関の異常なまでの閉鎖体質を暴露した。ソウル市の場合だと、自宅のパソコンや携帯でソウル市の「透明な都市ソウル情報疎通広場」のサイトに入ると、決裁文書があればすべて見ることができる。
ソウル市の情報公開は、2012年12月の「ヌードプロジェクト」で始まった。社会問題になった呉世勳(オ・セフン)前市長時代の7大開発事業に関する全ての文書、約1万2000ページが公開された。さらに、2013年10月28日からは局長級以上が決済した計画書・報告書・起案書などの文書が公開された。
続いて、2014年3月には、インターネットに「透明な都市ソウル情報疎通広場」が開設され、課長級以上の起案文書を含む決済文書を公開するようになった。これで、ソウル市の全ての決裁文書をオンラインで全面公開したのだが、この時点ではソウル市が最初で唯一だった。ソウル市民だけでなく、日本からでも公文書を簡単に見ることができる。

画期的な双方向情報公開システム

さらに、情報公開の請求者が質問や意見を書き込んだりできる機能が付いている。市民が質問・意見・提案を残せば、ソウル市one-stop窓口と連携し、所管部署・担当者、文書を作成・決裁した者に送付される。画期的な双方向的な情報公開システムとなっている。2017年7月10日現在、保存されている公文書数は11,946,679万件で、1年に400万件近くが保存されていることになる。
これによって、市民の知る権利が拡充され、情報公開に必要な社会コストが削減されるとともに、ソウル市政の透明性と信頼性を高める結果となった。考えてみても、文書を隠す日本政府とソウル市の姿勢を比べると、どちらを市民が信頼するだろうか、は明らかだ。

韓国の地方自治の歴史と現状

韓国の地方自治の歴史は長くない。1961年に朴正煕(パク・チョンヒ)が起こした5.16軍事クーデターによって、韓国の地方自治は停止された。その後、1987年民主化の流れの中でようやく地方自治が復活した。1987年12月に大統領選挙が実施された後、1988年4月に「地方自治法」が改正されて、1991年3月基礎議会選挙、同年6月広域議会選挙、1995年6月地方自治団体長選挙が行われた。
2006年12月には地方自治法をさらに改正して、教育長住民直接選挙制を実現した。選挙された教育長は独自の予算締結権、条例提案権をもつ。14の広域自治体で進歩的教育長が選出され、給食の無償化、教員雑務の軽減などの進歩的教育改革が行われた。

朴元淳市長の誕生と橋下元大阪市長との類似性・相違点

2011年、無償給食をめぐって、当時の呉世勲市長と郭魯炫(クァク・ノヒョン)教育長が対立し、市長は給食無償化の是非を住民投票で問うたが、市長が敗北した結果、辞任に追い込まれた。10月26日に、ソウル市長補欠選挙が実施され、朴元淳市長が当選した。
朴元淳はもともと人権派弁護士で、「参与連帯」の創立者の一人だったが、私が関心を持ったのは、ほぼ同時期に登場した橋下市長との類似性と決定的な違いだった。
朴元淳市長と橋下市長には、いくつかの共通した背景や類似性がある。同時期に実施された市長選挙で当選したこと、二人とも弁護士であること、そして既成政党に対する市民の不満を吸収して当選したことなどである。
しかし、市長に当選した二人は全く異なった、180度違う市政の方向を持っていることが就任直後にわかった。橋下市長は、①労働組合弾圧、例えば労組に市庁舎からの退去を求めるなど、②労使関係についての調査実施、③職員基本条例制定など、労働組合との対決姿勢を強めた。
一方、朴元淳市長は全く違う政策をとった。それは、労使協調であり、労働組合もソウル市政を担う一つだという考えだった。
ソウル市には、合法的な組合と非合法的な組合がある。非合法といっても地下活動をしているのではなく、特別法で認められた組合かどうか、という点が違っているだけである。団体交渉と便宜供与を両方の組合と行い、法内労組である公務員労総・ソウル特別市労組とは労使協約を締結した。一方、法外労組である全公労(国際公務労連=PSI加盟)とは労使協約は結べないが、事務室などの便宜提供や協議・合意文作成によって、円満な労使関係を作った。

posted by terama at 10:08| Comment(0) | 都市問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ソウル市から学ぼう!大阪のあり方を問う学習集会に104名が参加

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7月13日、どないネット主催で、韓国ソウル市から学ぼう!大阪のあり方を問う学習集会を開きました。会場のエルおおさか708号室は、104名の参加者でほぼ一杯となりました。この学習集会は、どないネットとしては3回目の集会で、今回は「大阪の未来を考えるに当たって、ソウル市は非常に参考になると考え、この企画を準備しました」(司会の荒木さん)という趣旨での集会でした。

まず、どないネットの馬場徳夫さんが5月大阪市会と法定協議会第1回会議の報告をおこないました。
「5月市会は2月市会の延長として、継続審議となった法定協設置議案を5項目修正して再提案した。大阪市をなくすことを隠す名称変更や公明を引きつけるために総合区も討論するなどが修正点。この議案は、維新・公明などの賛成多数で可決された」
「第1回法定協議会の報告では、委員構成(半数が維新)が決められたほか、自民党川島議員から前回の住民投票での否決の総括がないと指摘された」
「今後の都構想をめぐる予想としては、来年秋に住民投票という方針を維新は変えていない。バージョンアップした特別区再提案というが中味がない。大阪市には大きな変化がないのに同じものを提案するのはおかしい。大阪市が大阪府を背負うというが大阪市は人口比で30%で、これでは大阪市がつぶれてしまう。特別区と総合区という真逆の提案を大阪府の議員が入った中で議論するのはおかしい。総合区を決めた時点で、24区のままでいいという多数意見が抹殺されることになる。」
「都構想は大阪市の金を吸い上げて、万博・IR・カジノなどの大規模開発につぎ込むもの、絶対につぶさなければならない」

続いて、堺市長選挙について、馬出さん(竹山修身事務所)が報告しました。
「維新の全体会で永藤府議擁立が決まった。シミケンには断られた。維新は堺でも基礎票を持っている。南区(泉北ニュータウンを含む)は維新が強い。永藤府議は、仮に勝っても四年間は都構想の議論はしない、とはじめから争点隠しで腰は引けているが、絶対に勝たなければならない。竹山市長は駅立ちやタウンミーティングでがんばっているので、堺を守る闘いに是非参加して欲しい」

金光男さんの講演「朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長が進める地方自治」は非常に内容の濃い、示唆に富んだものでした。講演要旨は、本ブログで追って掲載します。

質疑討論のあと、入れ墨調査を拒否したとして戒告処分を受けた竹下さんが、人事委員会での処分容認裁決が出されたが、戦いはこれからであり、おかしいことにはおかしいと言いつづけるためにも裁判で闘うとの決意表明をおこない、集会を終了しました。
posted by terama at 10:02| Comment(0) | イベント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする